台北はどこの国の都市?台湾との違いを地理と歴史で解説

台北はどこの国の都市?台湾との違いを地理と歴史で解説

「台北って、どこの国にあるの?」
なんとなく台湾にあるのは知っているけれど、正式にはどうなっているのかよくわからない…そんな疑問を持ってこのページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

台北は、台湾の首都として知られる大都市です。でも、台湾自体が「国なの?それとも中国の一部なの?」といった疑問がつきまとう地域でもあります。
ニュースやスポーツの中継で「チャイニーズタイペイ」という言葉を聞いて混乱した経験、ありませんか?

この記事では、「台北 どこの国」と検索したあなたに向けて、台北の地理・歴史・国際的な立場、そして旅行前に知っておくべきポイントまで、わかりやすく解説していきます。
台北と台湾の違いを正しく理解することで、今後ニュースや旅行計画を見る目が少し変わってくるはずです!

この記事のポイント

  • 台北が台湾という国の首都であること
  • 台湾の正式名称と国際的な立場の違い
  • チャイニーズタイペイという呼称の背景
  • 台北と台湾の地理的な関係と位置関係
目次

台北はどこの国?知っておきたい基本情報

台湾はどこの国?正式名称と現状

台湾はどこの国?正式名称と現状

まず「台湾って国なの?」と聞かれたら、答えはちょっと複雑です。
地図で見ると、台湾は日本から飛行機で約3時間の場所にある島国です。ただし、「台湾」という名前がそのまま国の正式名称ではありません。

本来の名前は「中華民国(Republic of China)」です。
これは中国とは別の国を意味しています。今の中国は「中華人民共和国(People’s Republic of China)」という名前で、別の政府が運営しています。つまり、中国と台湾は、それぞれ異なる政府があるという状態なんです。

ここでちょっとややこしいのが、国際的には台湾を「国」として認めていない国が多いこと。
たとえば、日本を含むほとんどの国が中国との関係を優先して、台湾と正式な国交を結んでいません。
でも実際には、台湾には政府があり、選挙も行われ、通貨やパスポートも独自に発行しています。

じゃあ「国じゃないけど、国みたいな存在?」というと、まさにそれが正解に近い感覚です。
現地の人たちも、自分たちのことを「台湾人」として誇りを持って暮らしていて、政治や経済もしっかり機能しています。

こういった事情から、「台湾は独立国家だ」と考える人もいれば、「いや、中国の一部だ」という立場の人もいる。
世界的にはまだその結論がはっきりしていないので、“国のようで国じゃない、でも実際は国として動いている”というのが、今の台湾の立ち位置です。

日本の外務省も「台湾とは政府間の外交関係はないが、実務的な関係は維持している」としており、台湾を一国として扱う国は限られているのが現状です(外務省公式サイトより)。

外務省(日本国政府):「日本と台湾の関係」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taiwan/index.html

チャイニーズタイペイと台湾の違いとは

スポーツの国際大会やオリンピックで「チャイニーズタイペイ(Chinese Taipei)」という名前を見たこと、ありませんか?
この名前、実は台湾のことを指しています。でもなぜ「台湾」と言わず、こんなややこしい呼び方をしているのでしょうか。

これには、中国との関係が大きく関わっています。
中国政府は「台湾は中国の一部」と主張していて、「台湾」という名前が国際的に使われるのを強く嫌っています。
一方で、台湾側も自分たちを「中華民国」として長い間運営してきたプライドがある。

その板挟みの中で、国際的な場では「チャイニーズタイペイ」という妥協の名前が生まれたんです。
ようするに、「台湾」とは言いたくない中国と、「出場したいけど排除されたくない」台湾との間をうまく繋ぐための苦肉の策、というわけです。

言ってしまえば「本名で呼ばせてもらえないニックネーム」みたいなものです。
そのため、台湾の人たちが「チャイニーズタイペイ」で呼ばれるのを好ましく思っていないこともあります。

特にスポーツや国際イベントで、「なんで台湾じゃないの?」と疑問に感じる人も多いと思いますが、これにはこうした政治的な配慮があるわけですね。

ちなみに、日本のテレビ中継やニュースでも「チャイニーズタイペイ」と言うことがありますが、実際の意味は「台湾」です。

国際オリンピック委員会(IOC)では、台湾選手団は「チャイニーズ・タイペイ」という名称で出場する取り決めがなされています(IOC公式サイトより)。

台北はどこ?地理とアクセス

歴史と近代の歩み

「タイペイ(台北)ってどこにあるの?」と聞かれると、地図が苦手な人は少し戸惑うかもしれません。でも安心してください、位置はとってもシンプルです。

台北は、台湾という島のいちばん北の方にある都市です。
地図で見れば、九州の右下のあたり、沖縄より少し南西に位置しています。飛行機なら、日本の羽田や成田から約3〜4時間ほどで到着する距離なので、意外と近いんです。

空港は2つあって、主に使われるのが「桃園国際空港(とうえんこくさいくうこう)」。もう一つは市内寄りの「台北松山空港」です。国際線の多くは桃園、国内線や一部の国際便は松山といった感じで使い分けられています。

どちらの空港も、アクセスはとても簡単です。
特に桃園空港からはMRTという地下鉄のような電車で、市内まで30分〜1時間程度。
タクシーやバスも選べますが、初めてならMRTが便利でわかりやすいかもしれません。

言い方を変えれば、台北は日本から最も行きやすい「海外の大都市」のひとつです。
観光地がギュッと集まっているので、移動が楽ちん。市内はMRTでどこでも行けるし、路線も色分けされているから迷いにくいのもポイントですね!

つまり、台北=台湾の北の首都。アクセスもスムーズで、日本からの海外旅行デビューにもぴったりな場所です。

台北の国旗は?

「台北の国旗ってどんなデザイン?」と聞かれて、「赤地に星?」と思った人、それは中国の国旗です。
では台北、つまり台湾の国旗はというと、少し違うんです。

台湾(正式には中華民国)の国旗は、赤い背景に青い四角、その中に白い太陽が描かれています。
この太陽には12本の光が放たれていて、それぞれが「一年の12カ月」や「一日の12時間」を意味しています。

台湾の国旗

でも、ここからがちょっと複雑な話になります。
国際大会などに出場する際、この国旗は使えないことが多いのです。というのも、先ほどもお話ししたように「台湾=中国の一部」と考える中国が強く反発するためです。

その代わりに使われるのが、「チャイニーズタイペイ」の旗。これは、青い太陽と白い背景をベースに、オリンピックの五輪マークが組み合わされた特殊なデザインになっています。
言ってしまえば、「国としては認めないけど、競技には出ていいよね」という苦しい折衷案です。

チャイニーズタイペイの旗

この旗は、台湾の人々にとってはあまり嬉しいものではありません。「本当の国旗を掲げたい」という気持ちを持っている人も多いのです。

つまり、台北の「本来の国旗」は中華民国の赤・青・白のデザイン。
でも、国際的な場面では「チャイニーズタイペイ」の旗を使うことがほとんど。
これが、台湾と台北の国旗に関する現実です。ちょっとモヤっとしますが、こういった背景も知っておくとニュースがわかりやすくなるかもしれませんね!

知っておくべきことまとめ

台北に行くなら「知っておくと安心できること」がいくつかあります。
初めて海外に行く人でも心配しすぎなくて大丈夫。ちゃんと準備しておけば、楽しく過ごせますよ。

まず、言葉について
台北では中国語(正確には北京語)が話されています。ただ、日本と同じ「漢字文化」なので、書いてあるものは何となく読めることも多いです。
駅や観光地では英語も併記されていることが多く、日本語メニューがある飲食店もあります。
ただし、タクシーや小さな商店では日本語も英語も通じにくいこともあるので、翻訳アプリを入れておくと安心です。

次にお金のこと
使われている通貨は「ニュー台湾ドル(TWD)」。日本円と比べると、物価は少し安めです。
食事なら一食400円〜500円くらいで美味しいローカル料理が食べられます。
支払いは現金が基本ですが、コンビニやチェーン店ではクレジットカードも使える場合があります。
交通機関を使うなら「悠遊カード(ゆうゆうカード)」というICカードがとても便利です。MRT(地下鉄)、バス、コンビニでも使えます。

気候も要チェックです。
台北は亜熱帯気候で、一年中わりと暖かいですが、梅雨の時期や台風シーズンは雨が多くなります。
日差しが強い日もあるので、帽子や日焼け止め、そして折りたたみ傘があると助かります。

治安については、先ほども少し触れましたが、台湾は比較的安全な場所です。
夜遅くに出歩いても危険を感じることは少なく、女性の一人旅でも人気の行き先になっています。
ただし、人混みではスリに注意したり、パスポートは肌身離さず持ったりするなど、最低限の用心は必要です。

他にも、台北の電源コンセントは日本と同じ形なので、変換プラグを用意しなくてOK。
電圧は110Vなので、日本の電化製品の多くはそのまま使えます。

台北って、言葉・文化・交通、どれをとっても日本人にとって親しみやすい場所なんです。
「知らないと困るかも」と思っても、実はとっても旅行しやすい都市。だからこそ、初心者におすすめされるんですね!

台北はどこの国かを歴史から理解しよう

台北はどこの国かを歴史から理解しよう

台北の歴史と近代の歩み

台北という都市の成り立ちを知ると、旅先での見え方が少し変わってきます。
今では高層ビルや地下鉄が並ぶモダンな街ですが、その裏には意外と深い歴史があります。

もともと台北のある場所には、台湾の原住民族が暮らしていました。
17世紀ごろになると、オランダやスペインといったヨーロッパの国々がやってきて、一時的に支配される時代もありました。
その後は清(しん)という中国の王朝が統治し、19世紀になると台湾の北部が少しずつ開発されていきます。

大きな転換点は、1895年。日清戦争の結果として、台湾全体が日本の領土となりました。
そこから約50年間、日本は台湾を統治していました。
この時代に学校や鉄道、病院などのインフラが整えられ、今の台北の都市としての土台がつくられたのです。

戦後になると、日本が戦争に敗れたことで台湾は中華民国(今の台湾)に返還されます。
そして1949年には、中国本土で共産党が政権を取ったことで、国民党の政府が台湾に逃れてきました。
このとき、中華民国の臨時の首都として選ばれたのが台北です。

現在、台北は台湾最大の都市として、政治・経済・文化の中心となっています。
道を歩いていると、古いお寺と近代的なデパートが並んでいたりするのは、こうした複雑な歴史の証なんですね。
歴史を知った上で街を歩くと、何気ない建物にも少し意味が見えてくるかもしれません!

出来事
先史時代〜台北の地に台湾原住民族が定住
17世紀オランダ・スペインが一時支配
1683年〜清朝が台湾全土を統治
19世紀後半台湾北部(現在の台北周辺)が急速に開発
1895年日清戦争後、日本が台湾を領有
1895〜1945年日本統治時代。台北にインフラ・教育制度などが整備される
1945年日本の敗戦により、台湾が中華民国に返還される
1949年中国で共産党が政権を握り、国民党政府が台湾へ移転。台北が臨時首都に
現在台北は台湾最大の都市として政治・経済・文化の中心地となる

台北と台湾の違いを地図で確認

「台北と台湾って同じじゃないの?」と思ったこと、ありませんか?
よく似て聞こえるこの2つですが、実は全然違います。地図を使うと、その違いは一発でわかります。

まず、台湾というのは日本の南西に浮かぶ大きな島です。
形で言うと細長いサツマイモのようなイメージで、南北に広く伸びています。
その中のいちばん北に位置する都市が「台北」なんです。

つまり、台湾は国全体の名前で、台北はその中の一都市。わかりやすく言えば、「日本(台湾)」の中に「東京(台北)」がある、という感じです。
台北市の周りには新北市という別の市もあって、ひとくちに「台北」と言っても、広い意味で使われることがあります。

観光の中心や政治の中枢が集まっているのは、いわゆる「台北市」の方。
総統府(台湾の大統領のような人が働いている場所)や、台北101といった名所はすべてこのエリアにあります。

これを理解しておくと、「台湾に行く=台北だけじゃないんだな」と気づけると思います。
例えば、南の方には高雄(カオシュン)、中部には台中(タイチュン)、歴史ある台南(タイナン)も人気エリアです。

つまり、台湾という国の中にあるのが台北という都市。
旅行先を調べるときにも、「台北だけ」じゃなく「台湾全体」を見る視点を持つと、もっと面白い旅になりますよ!

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