日本のお隣、台湾に富士山よりも高い山があることをご存知でしょうか。「台湾の最高峰」について調べている方の中には、その高さや場所、登山の難易度、あるいはツアーでの行き方について気になっている方も多いはずです。
また、いつがベストシーズンなのか、入山に必要な許可証の申請方法はどうなっているのかといった具体的な情報も知りたいですよね。
もしかすると、海外での登山というだけで少しハードルが高く感じてしまっているかもしれません。この記事では、私が実際に調べ、経験した知識をもとに、玉山の魅力を余すところなくお伝えします。
- 台湾で一番高い山の名前や正確な標高といった基本データ
- 富士山と比較したときの登りやすさや景色の違い
- 外国人が優先的に利用できる入山許可申請の裏ワザ
- 山小屋の設備や具体的な登山ルートの攻略法
台湾の最高峰「玉山」の魅力と基本情報
まずは、台湾の人々が「聖なる山」として誇る玉山(Yushan)の基本的なプロフィールから見ていきましょう。
日本の統治時代には「新高山」と呼ばれたこの山は、単に標高が高いだけでなく、地理的にも歴史的にも非常に興味深い背景を持っています。
ここでは、これから目指す頂がどのような場所なのか、その輪郭をしっかりと掴んでいきます。
玉山の標高と場所を地図で確認

玉山の標高は3,952メートルです。これは日本の最高峰である富士山の3,776メートルを176メートルも上回る高さで、東アジア(カムチャツカ半島などの極東ロシアを除く)においては、マレーシアのキナバル山(4,095メートル)に次ぐ高峰として知られています。私たち日本人にとって「富士山より高い山がすぐ隣の国にある」という事実は、なんとも冒険心をくすぐられる話ですよね。
場所は台湾本島のほぼ中心部に位置しており、行政区画でいうと南投県、嘉義県、高雄市の三つの境界が交わる点にあります。
地図を広げてみると、台湾島を南北に貫く背骨のような「中央山脈」の少し西側に、並行して走る「玉山山脈」があるのがわかります。
玉山はその主峰であり、周囲には東峰、北峰、南峰、西峰といった3,000メートル級の峰々が十字架のように連なっています。
この場所は北回帰線(北緯23.5度)のすぐ南、北緯23度28分あたりに位置しています。つまり、地理的には「熱帯」と「亜熱帯」の境界線上にありながら、その圧倒的な高さゆえに山頂付近は冷涼な「高山気候」になっているのです。
登山口となる塔塔加(タタカ)周辺では鬱蒼とした緑の森が広がっていますが、登るにつれて植生が変わり、最終的には森林限界を超えた岩の世界へと突入します。
たった一度の登山で、熱帯の森から寒帯の岩稜帯までを駆け抜けるような、地球の縮図を見るような体験ができるのが玉山の大きな特徴ですね。
豆知識:なぜ台湾はこんなに山が高い?
台湾はフィリピン海プレートとユーラシアプレートが激しくぶつかり合ってできた島です。
この地殻変動のエネルギーが凄まじいため、九州ほどの面積の小さな島でありながら、なんと3,000メートル級の山が260座以上もひしめき合っているのです(日本は20座程度)。
玉山はまさに、現在進行形で隆起し続けている「生きている大地」の象徴とも言える場所なんですよ。
旧名は新高山?歴史と名前の由来
玉山は、その長い歴史の中で何度も名前を変えてきた不思議な山です。それぞれの名前には、その時代に台湾を統治していた人々や、麓で暮らす人々の思いが込められています。
もともと、この山の麓で暮らしていた原住民族、ツォウ族の人々は「パトゥンクオヌ(Patungkuonü)」、ブヌン族の人々は「トンク・サバン(Tongku Saveq)」と呼んでいました。彼らにとってこの山は、先祖が住んでいた聖地であり、大洪水の際に避難した伝説の場所でもあります。
みだりに立ち入ることは許されない、畏怖の対象だったんですね。
19世紀に入ると、西洋の船乗りたちが海の上からこの巨大な山を目撃します。1857年、アメリカの商船アレクサンダー号の船長W.モリソンが航海日誌に記録したことから、欧米の地図には長らく「モリソン山(Mt. Morrison)」と記載されていました。なんだか急に洋風な響きになりますが、当時の国際的な認識はこうだったわけです。
そして時代は変わり、1895年に下関条約によって台湾が日本の統治下に入ります。翌1896年に行われた詳細な測量で、この山の標高が当時の日本最高峰であった富士山よりも高いことが判明しました。
この事実は当時の日本に衝撃を与え、1897年(明治30年)、明治天皇によって「新しい日本の最高峰」という意味を込めて「新高山(にいたかやま)」と命名されました。
昭和世代の方なら、太平洋戦争の開戦を告げる海軍の暗号電文「ニイタカヤマノボレ一二〇八」をご存知の方も多いでしょう。この山は単なる地理的な存在を超えて、当時の国家的なシンボルとしても機能していたのです。
現在でも山の中腹には、当時の駐在所跡や神社の遺構などがひっそりと残っており、歴史の重みを感じさせます。
戦後、中華民国政府の統治が始まると、山名は現在の「玉山」へと改められました。冬になると山頂部が雪に覆われ、その姿がまるで「白玉(はくぎょく)」のように清らかで美しく輝くことから名付けられたと言われています。
今の台湾の人々にとっても、玉山は「台湾精神」の象徴であり、心の拠り所となる特別な存在なのです。
富士山より高い山の特徴を比較
「富士山より高いということは、登るのも富士山より大変なんじゃないか?」と不安に思う方もいるかもしれません。確かに標高だけで見れば玉山のほうが高いですが、山の性格や登山道の様子はかなり異なります。
それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 比較項目 | 玉山 (Yushan) | 富士山 (吉田ルート) |
|---|---|---|
| 最高標高 | 3,952m | 3,776m |
| 登山道の景観 | 緑豊かな森〜岩場と変化に富む | 五合目以上は荒涼とした砂礫帯 |
| ルートの傾斜 | 比較的緩やか(距離を使って登る) | 直登に近く、急な箇所が多い |
| 混雑具合 | 完全予約制で人数制限あり(静か) | シーズン中は大行列・渋滞 |
| 山小屋の快適性 | 一人一人のスペース確保・寝袋あり | 混雑時はすし詰め・雑魚寝 |
| トイレ事情 | 整備されているが紙はないことが多い | チップ制で管理・比較的きれい |
比較してわかる最大の違いは、「植生の豊かさ」と「混雑のなさ」です。富士山は森林限界が低く、五合目から上はずっと砂と岩の世界が続きますが、玉山は標高3,500メートル付近の排雲山荘あたりまで、立派な針葉樹林が続いています。
歩いている最中に、樹齢数百年を超えるような巨大な「台湾ヒノキ」や「台湾ツガ」を見ることができ、マイナスイオンをたっぷり浴びながら歩けるのが魅力です。景色がコロコロ変わるので、精神的な疲れも感じにくいんですよね。
また、玉山は国立公園による厳格な入山規制があるため、1日の登山者数が制限されています。富士山のように前の人の登山靴を見ながら行列で歩くようなことはありません。自分のペースで静かに自然と向き合える時間は、何物にも代えがたい贅沢です。
ただし、難易度が低いわけではありません。標高が高い分、酸素濃度は富士山よりもさらに薄くなります。
高山病のリスクは玉山のほうがシビアに考える必要があるでしょう。また、山頂直下の岩場は富士山にはないスリル満点の箇所なので、そこだけは慎重な行動が求められます。
ベストシーズンの天気と気候

玉山登山を成功させるためには、時期選びが何よりも重要です。台湾は南国ですが、3,000メートルを超える高山では季節感が平地とは全く異なります。
おすすめのベストシーズンは、気候が安定する5月〜6月前半と、10月〜11月です。この時期は「梅雨」と「台風」の合間にあたり、晴天率が比較的高くなります。気温も、山頂付近で5℃〜10℃程度と(寒いですが)極寒ではなく、登山には適しています。特に10月〜11月は空気が澄んでいて、雲海が綺麗に見える確率が高いと言われています。
避けたほうがいい時期、あるいは注意が必要な時期についても触れておきましょう。まず、7月〜9月の夏場は台風シーズンです。台湾を直撃する台風は勢力が凄まじく、ひとたび台風警報が発令されると、玉山国家公園は即座に「入園禁止」の措置をとります。
たとえ苦労して許可証を取得していても、その瞬間に全て無効となり、強制キャンセルとなってしまいます。旅行者にとって、この「行けるかどうかわからない」というリスクはかなり大きいため、できれば台風シーズンは避けたほうが無難です。
また、夏場は午後になるとほぼ確実に「午後の雷雨(スコール)」が発生します。激しい雷と豪雨に見舞われるため、お昼過ぎ(遅くとも14時頃)には山小屋に到着しておく「早出早着」のスケジュール管理が必須となります。
そして12月〜3月の冬場は、積雪期(静山期間)となります。南国台湾といえども、標高4,000メートル近くでは雪が積もり、岩場は凍結します。
この時期に入山するには、アイゼンやピッケルといった雪山装備の携行はもちろん、雪山登山の経験証明書の提出や、3人以上のチーム編成が求められるなど、ハードルが一気に上がります。
初心者が安易に立ち入れる環境ではなくなるため、雪山経験が豊富な方以外は、春を待つのが賢明です。
1000元札に描かれた山頂の風景
台湾に到着して両替をしたら、ぜひ青いお札「1000元札(ニュー台湾ドル)」の裏面をじっくり見てみてください。そこに描かれている威風堂々とした山こそが、これから私たちが目指す玉山の主峰です。
お札のデザインをよく見ると、山の左手前に色鮮やかな鳥が描かれていますよね。これは台湾固有種の「ミカドキジ(帝雉)」です。玉山の登山道周辺にも生息しており、運が良ければ霧の中からひょっこりと姿を現してくれることもあります。1000元札は、台湾の自然の豊かさを象徴する「玉山」と「ミカドキジ」をセットにすることで、この島の生態系の素晴らしさを表現しているのです。
写真撮影のポイント
実はこの1000元札の構図、玉山の隣にある「玉山北峰(標高3,858m)」から主峰を撮影した写真が元になっています。主峰の山頂に立ったあと、体力に余裕があれば北峰まで足を延ばしてみるのもおすすめです(往復でプラス3〜4時間かかりますが)。
もし主峰への登頂だけであっても、山頂で財布から1000元札を取り出して、実際の景色と「コラボ撮影」をするのは、登山者の間でお決まりの記念撮影スタイルになっています。SNS映えも間違いなしですよ!
台湾の最高峰へ登山するための完全ガイド
ここからは、実際に玉山に登るための具体的なステップについて解説します。「海外の山に登るなんて、言葉もわからないし手続きも複雑そう…」と尻込みしてしまう必要はありません。
玉山は世界的にも人気の山だけあって、外国人向けのシステムもしっかり整備されています。
ただし、日本の山とは異なる独自のルールも多いため、事前の予習と準備が成功の鍵を握ります。一つひとつ、順を追って確認していきましょう。
一般ルートの難易度はきついか

玉山にはいくつかの登山ルートがありますが、初心者が利用する最も一般的なルートは「塔塔加(タタカ)鞍部」から登るルートです。通常は「排雲山荘」で一泊する1泊2日の行程が組まれます。
歩行距離は往復で約22km。数字だけ見ると長く感じるかもしれませんが、登山道は驚くほど整備されています。
技術的な難易度で言えば、「日本の北アルプスの一般ルート(例えば燕岳や唐松岳など)よりも歩きやすい」と感じる人が多いでしょう。
道幅は十分に確保されており、急な斜面にはジグザグに道が切られているため、息が切れるような急登が延々と続くわけではありません。
また、桟橋(木道)もしっかりしており、歩行のストレスは比較的少ないです。
ただし、決して「ハイキング気分」で登れる山ではありません。最大の難所は、2日目の早朝、山頂直下の「風口」と呼ばれる場所から始まります。
ここでは森林限界を超え、強風が吹き荒れる岩稜帯を登ることになります。
最後の200メートルほどは、岩に打ち付けられた鎖(チェーン)を頼りに、手足を使ってよじ登る必要があります。
高度感もあり、高所恐怖症の方には少し怖いかもしれませんが、三点支持(手足の3点で体を支える基本技術)ができれば、特別なクライミング技術は不要です。
最大の敵は「高山病」です
技術的には難しくありませんが、体力的にはハードです。
特に標高3,000メートルを超えてからの酸素の薄さは、想像以上に体に負担をかけます。頭痛や吐き気が出ると、登るどころではなくなってしまいます。
対策として有効なのは「高度順応」です。いきなり登山口に行くのではなく、前日は標高2,000メートル以上の場所(例えば阿里山や、登山口近くの東埔山荘)に宿泊して、体を薄い空気に慣らしてから登り始めることを強くおすすめします。
これをするかしないかで、登頂成功率が大きく変わります。
入山許可証の予約と申請方法
玉山登山における最大の難関、それは体力でも技術でもなく、実は「入山許可証の取得」だと言われています。自然保護のため、1日の入山者数は厳格に管理されており、特に唯一の宿泊施設である「排雲山荘」のベッド数は116床しかありません。台湾国内では、このプラチナチケットを手に入れるために、多くの登山者が激戦の抽選(ロト)に挑んでいます。
「そんな抽選、当たる気がしない…」と思ったあなた、ご安心ください。実は、台湾政府は外国人観光客を誘致するために、「外国人優先予約枠(Foreigner Priority Application)」という特別な制度を用意してくれています。これを使わない手はありません。
外国人優先枠の仕組み
- 対象日:日曜日から木曜日までの宿泊に限ります。(金曜・土曜・祝日の宿泊は対象外で、一般抽選と同じ扱いになります)
- 枠の数:1日あたり24名分が確保されています。
- 申請期間:入園希望日(登山開始日)の4ヶ月前から、35日前まで。
- 決定方法:期間内に申請し、書類に不備がなければ、原則として先着順で確保されます。(※ただし、希望者が殺到した場合は抽選になることもありますが、一般枠よりは遥かに高確率です)
申請はすべてオンラインで行えます。「Hike Smart Taiwan Service(台湾登山申請ワンストップサービス)」というウェブサイトから、英語または日本語(一部対応)で手続きが可能です。
パスポート情報や緊急連絡先などを入力し、希望の日程を選択します。4ヶ月前の受付開始と同時に枠が埋まることもある人気シーズンもありますので、日程が決まったら、カレンダーにアラートを入れて、受付開始と同時に申請することをおすすめします。
正確な申請ルールや最新の空き状況については、必ず以下の公式サイトで一次情報を確認するようにしてください。
排雲山荘の設備と食事メニュー
玉山登山のベースキャンプとなるのが、標高3,402メートルに建つ「排雲山荘(Paiyun Lodge)」です。2013年にリニューアルされたこの山小屋は、日本の古い山小屋のイメージとは異なり、非常に近代的で快適な設備が整っています。
まず寝床ですが、大部屋での雑魚寝ではなく、2段ベッドが並ぶドミトリー形式になっています。一人ひとりのスペースがカーテン等で完全に仕切られているわけではありませんが、場所が決まっているため、混雑時でも「寝る場所がない!」と焦る必要はありません。
厚手のマットが敷かれており、寝袋(シュラフ)もレンタルできるため、重い寝具を自分で担ぎ上げる必要がないのは大きなメリットです。
そして楽しみなのが食事です。排雲山荘では、事前に予約(オンラインまたは委託業者へのメール等)をしておけば、温かい食事を提供してくれます。メニューは意外と豊富で、名物の「ポークチョップ(排骨飯)」や、大きな骨付き肉が乗った「チキン(鶏腿飯)」が人気です。
ご飯、スープ、そして副菜が付いており、標高3,000メートルを超えた場所でこれほどしっかりした食事がとれることには感動すら覚えます。
食事のタイミングは、夕食(到着後の17時頃)、早朝食(アタック前の深夜2時〜3時頃、お粥や饅頭など)、そしてブランチ(登頂して戻ってきた後の麺類など)の3回が一般的です。自分でガスバーナーやコッヘルを持っていく必要がないので、荷物の軽量化にもつながります。
トイレは建物の外にありますが、水洗式で比較的清潔に保たれています。ただし、トイレットペーパーは備え付けられていないことが多いので、水に溶けるティッシュを持参する必要があります。
また、水場については、山小屋で煮沸したお湯や飲料水を提供してくれる給湯設備があります(時間帯による)。
自分で浄水器を持っていく必要がないのも助かるポイントですね。ただし、シャワーやお風呂はありませんので、汗拭きシートなどを持参すると快適に過ごせます。
必要な装備と推奨される服装

「台湾=南国=暑い」というイメージだけで装備を準備するのは非常に危険です。先ほどもお伝えした通り、山の上は別世界。真夏であっても、山頂付近でご来光を待つ時間帯は0℃近くまで冷え込みますし、風が吹けば体感温度は氷点下になります。低体温症は、夏山でも発生する最も恐ろしいリスクの一つです。
服装のレイヤリング(重ね着)
- ベースレイヤー(肌着):速乾性の化繊やウール素材のもの。綿(コットン)素材は汗を吸って冷えるため、絶対にNGです。
- ミドルレイヤー(中間着):フリースや薄手の化繊ジャケットなど、保温性と通気性のあるもの。
- アウターレイヤー(雨具):ゴアテックスなどの透湿防水素材のレインウェア上下。風除け(ウィンドブレーカー)としての役割も果たします。
- 防寒着:軽量のダウンジャケット。休憩中や山頂での待機時間、山小屋での滞在時に必須です。夏でも必ずザックに入れてください。
必須ギア
- ヘッドライト:ご来光を見るためには、真っ暗な深夜2時〜3時に出発します。予備の電池も忘れずに。
- ザックカバー:急な雨から荷物を守るために必須です。
- トレッキングポール:長い距離を歩くため、膝への負担を軽減するためにあると便利です。
- 日焼け止め・サングラス:高所の紫外線は強烈です。肌や目を守る対策を怠ると、後で火傷のような症状になります。
- 耳栓・アイマスク:山小屋のドミトリーでは、他人のいびきや話し声、ライトの光が気になることがあります。安眠のためにあると重宝します。
装備に関しては、基本的に「日本の3,000メートル級の山(北アルプスや富士山など)に登る装備一式」があれば大丈夫です。特別なクライミングギアは不要ですが、防寒対策と雨対策だけは、過剰なくらいでちょうど良いと考えて準備してください。
個人手配とツアーの費用を比較
いざ玉山に行こうと思ったとき、自分で全て手配する「個人旅行」にするか、日本の旅行会社が主催する「登山ツアー」に参加するか、悩むところですよね。それぞれの費用感とメリット・デメリットを整理してみましょう。
個人手配の場合
最も安く済ませる方法です。日本からの航空券代を除けば、現地の滞在・登山にかかる費用は、約3万円〜4万円程度で収めることが可能です。
- 費用の内訳目安:
- 山小屋代:480元(約2,200円)
- 食事・寝袋レンタル代:約1,200元(約5,500円)
- 嘉義〜登山口の交通費(チャーター車):往復で約4,000元〜(約18,000円 ※数人で割ればもっと安い)
- 前泊の宿泊費:約500元〜(約2,300円)
- メリット:圧倒的に安い。自分のペースで日程を組める。
- デメリット:許可証の申請、宿の予約、現地までの交通手段の手配など、全て英語や中国語のサイトを使って自分で行う必要がある。トラブル発生時も自己責任。
日本の登山ツアーの場合
安心をお金で買うスタイルです。費用は旅行会社や日数にもよりますが、航空券込みで25万円〜35万円程度が相場となります。
- メリット:面倒な許可証申請を代行してくれる。現地では専用車での送迎があり、日本語ガイドが同行してくれるため安心感が段違い。高山病や怪我などのトラブル時も適切なサポートが受けられる。
- デメリット:費用が高い。団体行動になるため、ペース配分などは周囲に合わせる必要がある。
補足:どちらを選ぶべき?
初めての海外登山で、語学や手続きに不安がある方は、迷わずツアーを利用することをおすすめします。お金はかかりますが、安全と成功率を買うと思えば決して高くはありません。一方で、海外旅行に慣れていて、自分で調べるのが好きな方や、コストを抑えたいバックパッカー気質の方は、個人手配にチャレンジしてみるのも素晴らしい経験になるでしょう。達成感もひとしおです。
台湾最高峰を目指す旅のまとめ
ここまで、台湾最高峰「玉山」への挑戦に必要な情報を詳しく解説してきました。玉山への旅は、単なるピークハント(登頂)以上の深い感動を私たちに与えてくれます。
登山口から歩き始め、鬱蒼とした亜熱帯の森が徐々に姿を変え、雲を突き抜けて岩稜帯へと至る過程。道中で出会う樹齢数千年の巨木や、可憐な高山植物たち。そして何より、3,952メートルの頂に立ち、東の空から昇る太陽が雲海を黄金色に染め上げる瞬間は、一生忘れられない光景として心に刻まれるはずです。
富士山よりも高く、しかししっかりと準備と対策をすれば、誰にでもその頂きに立つチャンスが開かれている山、それが玉山です。日本統治時代の歴史の残り香を感じながら、現代の台湾の人々が愛してやまないこの「東アジアの至宝」を目指してみてはいかがでしょうか。
次の休暇には、ぜひパスポートと登山靴を持って、台湾へ。美味しい小籠包やタピオカミルクティーだけでなく、雲の上の絶景があなたを待っています。しっかりと準備をして、安全で素晴らしい山旅を楽しんでください!
記事の中では許可証の取り方やルートの解説など、実用的な情報をお伝えしましたが、私が本当に伝えたい玉山の魅力は、実は「人」にあるのかもしれません。
すれ違う台湾の登山者たちは、私たち日本人が登っているとわかると、驚くほど温かく歓迎してくれます。「よく来たね!」「頑張って!」と笑顔で声をかけられ、山頂でお互いの健闘を称え合う。そんな些細な交流の中に、かつて同じ時代を共有した日本と台湾の、言葉を超えた深い絆を感じずにはいられないんです。
ただ高い場所に登るだけではなく、台湾という土地、そして人の温かさに全身で触れる旅。
そして下山後、心
地よい疲れの中で味わう冷たい台湾ビールと熱々の小籠包の味は、間違いなく人生最高のご褒美になります。スペックや数字だけではない、心震える体験がそこには待っていますよ。








